(富山県)コロナに克つぞ!2020.6 飲食・宿泊・小売業編1
続いては飲食・宿泊・小売業編として括ります。基本的に飲食業向けを中心に書きますが、宿泊業・小売業にも共通する部分が多いので、少しは参考になると思います。
このセクターにおけるキーワードは、主に以下の3つです。
・ソーシャルディスタンス
・キャッシュレス
・徹底除菌(アルコール消毒、使い捨て手袋等)
但し、メインではないものの、意外に影響がありそうなのが次の2つで、結局全部ということですね。
・テレワーク
・リモート
飲食業の大きな特徴として、自己流の経営が多いことです。他業界に比べて、自分なりの”こだわり”を持っておられる経営者の方によく出会います。正確に言えば、持っているいないではなく、口にするしないの違いですが。「〇〇はしない!」「〇〇は譲れない!」というようなことです。そして、これはあくまでも私感ですが、「それは、成功則や哲学ではなく好き嫌いでは?」と苦笑いしてしまうことが多くあります。もちろん、経営に絶対的正解はありませんので口にはしませんが、「そのこだわり(好き嫌い)を捨てれば経営改善するのに・・・・」と心の中でつぶやくことも少なくありません。
飲食業は、個人事業者や個人からの法人成りが多いので、一般企業に比べて経営者個人の好き嫌いが出やすいの当然かもしれません。もう一つ、アイドルタイム中の出入り業者の方との会話を聞いていると、ビジネスマナーができていない方も多くお見受けします。仕入先は企業ですし、金融機関とのおつきあい、もっと言えばお客様の大半は企業で働く方達であり、もす少しビジネスマナーに対する目を向けてもよいのではないかと思います。
冒頭から、飲食業の経営者非難とも受け取れるようなことを書きましたが、そんな意図ではありません。「あなたが当然と考えていることに改善のツボがあるかもしれませんよ?少し冷静になって世の中を見渡してみませんか?」という提言をしたいだけです。経営の理論に照らすと、改善のヒントがいっぱい見つかります。
さて、政府や自治体からいろいろな政策が出る中で、3月当初は営業自粛を要請されるばかりで、効果的な支援策が融資ぐらいしかなく、お先真っ暗感が漂っていましたが、持続化給付金に休業協力金、コロナ対策への各種助成金、家賃給付まで・・・今では一番手厚く支援された業種になってしまいました。それでも利益がでないなら、「何か自分の考えが間違っているのでhないか?」と見直すべきところでしょう。事業というのは、お客様の需要に応えているから利益が出るのです。利益が出ないのは、コロナのせいではなくお客様の需要に応えていないからだと考えます。
まずは、キャッシュレス対応です。昨日で還元期間が終了してしまいましたが、キャッシュレス還元対象店として登録していなかった店は、これだけでチャンスを逃してしまいました。判断ミスだった可能性が高いです。
「でも、決済手数料が・・・資金回収が・・・」これがみなさんの言い訳だったと思いますが、お客様に得があることを自店が損だからと拒否してしまったこと、それがお客様の目にどう映ったかを考えてみませんか?「当店は、お客様のことより自店のことを大事にする店です!」と宣言しちゃったのですから、そんなお店をコロナ禍だからと言ってお客様が救いたくなると思いますか?
経営のプロの目から見ると、そもそも現金収入にこだわるビジネスモデル、決済手数料が利益を圧迫するビジネスモデルに問題があります。キャッシュレス還元事業で、入金サイクルが大幅に短くなり(契約先決済代行会社により差があります。)、決済手数料も従来より大幅に安くなりました。さらに、カードリーダーも無料で配られました。ビジネスモデルを変える大チャンスだったのです。簡単なことです。売上の入金が2週間後で、3~4%の決済手数料を払っても儲かるビジネスモデルに変更すればよいのです。入金が2週間後になるなら支出も2週間後に変えればよいのです。仕入先と交渉し、デポジット(前払い金)を積むとか或いは支払いも電子決済に変えるとかの方法が考えられます。
決済手数料分は転嫁です。お客様は5%の還元を受けるわけですから、3%分はご負担いただいても差し引き2%の得となります。仮に自店の決済手数料の契約が4%だとして、お客様に3%分ご負担いただいて、利益はまだ1%分減ります。それは、今まで以上に付加価値を付けて回収します。もちろん、お客様に「3%分ご負担してください。」と言うわけにいきませんので、合わせて4%分以上の値上げをします。結局は、4%分以上の付加価値が増えたように見せて値上げをします。ここに原価が発生したらその分もまた上乗せしなければいけなくなりますので、盛り付けの工夫、セールストーク、廃棄食材の活用などで対応します。
「できない」のではないのです。「そこまでやりたくない」から「できない」とすり替えて言い訳していたのではありませんか?キャッシュレス対応は、これで終わりではありませんよ。補助がなくなった今からでもやるべきです。乗り遅れた損失は小さくありませんが、自分の間違いを反省し、今からでも正せば、次のチャンスには間に合います。今からならば、総務省が主導してできた統一QRコード決済サービスのIPQRを利用するが良いでしょう。1回の手続きで〇〇Payも△△Payも××Payも利用できるというものです。決済のためのQRコードも統一されますので、店舗のオペレーションも楽ですし、QRコード決済手数料はクレジットカードよりも割安です。詳しくは↓
キャッシュレス決済には、コロナでもう一つの意味が生まれました。それは、現金に触らないということです。私自身も現金は汚いと知っていましたが、コロナ対策を知るうちに強く認識するように変わりました。誰がどういう状態で触ったか分からない現金は、キャッシュレス決済に比べて格段にリスクが高いです。前の使用者が感染者だった場合、私の手にもウイルスが付く可能性が大です。そこで、3月からは現金使用を可能限りやめ、キャッシュレス還元のない店でも全部キャッシュレスに変えました。現金専用店は行かなくなりました。飲食店で考えると、現金を受け取って、その手で料理をしたり配膳したり、そんな店には行けません。経営者にとっても、店からコロナ感染が発生するリスクを高めるわけですから、現金支払い拒否ぐらいやってもよかったくらいです。但し、そういうリスクを知ってか知らずかわかりませんが高齢者の方は現金派が多いので、お客様に高齢者が多い店では現金決済をやめれませんね。
徹底除菌は、店にとっては最悪ですよね。余分な経費が発生し、労力(人件費)も増えますが、お客様の目に見える価値を生みません。頭の痛いところです。ですが、考えようではありませんか?飛行機に乗れば、燃油サーチャージというのがありますよね?原油価格の上昇は航空会社の責任でも努力不足でもないということで、原油価格の上昇分を料金に外付けで増やせる制度ですが、飲食店もそれを導入すればどうでしょう?『コロナ対策協力金』という名目で、お客様1名につき一律100円という入店チャージをいただくのはどうでしょう?安心が買えるなら100円は安いです。その代わり、徹底した除菌を行っていることをお見せしなければいけません。常にお客様の目を意識し、アルコール除菌などを常時やっている姿を見せることが必要です。
長くなったので、つづきはパート2で。
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