もうコンサルに金を払う必要はない?
私の中で、最近またAI熱が高まっています。
面白い、面白い以外の何物でもありません。
『もうコンサルタントに金を払う必要がない』現役の経営コンサルタントである私がこんなことを言うのですから困ったものです。でも、それが事実です。
もちろん、無防備にこんなことを書くはずもなく、オチはありますが、それは最後のお楽しみということで最後まで読んでいただければ幸いです。
AIの現状
ChatGPT の登場から3年弱、雨後の筍のように新たなAIが登場し、競い合ってどんどん進化してきました。まさにコーパイロット(副操縦士)と言っても過言ではなく、大事な相棒になりました。
もう、使うか使わないかの議論は無意味になり、どう使うかを議論するステージに移行したと断言できます。
使うリスクと使わないリスクを比較して、使わないリスクが大きくなり、使うリスクを超えてしまったので、もはや「使う」の一択と言えます。
これから何回かに分けて、AIがどのくらい進歩しているのかということや今後の展望などもお話ししていきたいと思います。
AIと私の経緯
2022年の年末にChatGPTを知り、正月休みからすぐさま使い始めました。
確かに知識は豊富で百科事典は一瞬で不要になった感があり、当時から驚きと感動がありましたが・・・
知識が古く、最新のことを調べるには向いておらず、またハルシネーションと呼ばれる嘘というか、さも本当かのように間違った情報が表示されることで事実確認に時間がかかり過ぎて、使い方は限定的でした。
ChatGPT 以外でも、お客様にとって最も早く効果を出せそうだったOCRや議事録作成に期待をしておりましたが、いろいろ試行錯誤するも期待する成果には程遠い印象でした。
以後、画像生成AIが登場したり、Copilotが登場したりしたタイミングで一時的に使用頻度が上がりましたが、決定的に生産性向上につながるまではなく、しばらくの間休んでは、半年後くらいにまた取り組み、そしてまた休むという経過観察状態が続きました。
ですが、最近になって進化スピードは加速度的に上がり、ついに実用レベルに達した感があります。
最近の勉強
一口にAIと言っても、それぞれに得手不得手とする分野が違うので、いくつかのAIを使用目的によって使い分けています。
ということは、複数のAIを日常的に使い、慣れ親しんでいないといけません。
そのためには、仕事に関係のあるなしを問わず、とにかく触れ合う時間を増やさなければいけません。
私がChatGPTを使いだした頃は、「全世界で1億人が登録済み」という記事が出たころですが、日本での普及はまだまだで、周囲のITC仲間にChatGPTの話を振り向けても会話にならなかった記憶があります。
それが、休んでいる間に随分置いて行かれた感があります。その遅れを取り返すべく、勉強しているというかいろいろ試しています。
AIを試す
AIを使おうと思った時に、最初の関門はお試し機能やお試しクレジットの少なさではないかと思います。
1アカウント数千円/月なのだからとも思いますが、いまだAI活用に取り組んでおられない企業は、間違いなく経営者の方がその数千円を惜しむ方だと思っています。
「数千円を惜しむ方 」というとケチな方というイメージに映るかもしれませんが、私は経営者としては当然だと思っています。
自分、或いは権限委譲している役員・管理職が有用性を認めていないのであれば、数千円でも払わないのが経営者というものです。
ですから、私も基本無料で使えるものを使い倒して確認している次第で、役員・管理職の方に代わって私が有用性を示し、まずは無料の機能でそれを見せられない限り数千円と言えども企業様では投資してもらえないと考えています。
一番重要なことは、無料でどれだけ機能確認できるか?
つまり、有料契約を試してみるだけの説得材料となる価値を見つけられるかが大事ですが、AIはそれが難しい分野だと言えます。
その最大の理由は、安全性です。
AI活用のデメリットで誰もが挙げる点セキュリティ問題で、無料アカウントではそれが担保されません。「AIの学習には使用しません。」と明記してあるものもありますが、「まだ信用できない」という評価が一般的であり、慎重な富山県の経営者の方々は「信用できない」→「不安」→「危険」とどんどんバイアスをかけて行った結果が今です。
有料アカウントになれば、アーキテクチャを公開し、セキュリティが守られる仕組みを提示していますので、経営者の判断ミスを問われるリスクは大幅に減っています。中には、保証までしている企業もあります。
もうコンサルに金を払う必要はない!
さて、今日の本題ですが、私は本気でそう思っています。
経営コンサルタントとしての最低限の知見は持ち合わせていますし、助言も適格です。
これまで、10万円~30万円程度で私が受けてきたご相談の半分以上は的確な回答ができるのではないかと見ています。しかも、無料アカウントで。
ただし、無料アカウントでは万が一情報が学習に使用され、何らかの情報漏洩を起こした場合には大変なことになりますので、有料アカウントを取得する必要があるでしょう。
それでも、数千円/月ならコンサルフィーの数十分の一です。
コンサルタントに金を払う理由がありません!
これまで、試してみたことを書きます。
◇一般的な経営に関する助言
これまで商工会議所や商工会のエキスパートバンクなど受けたご相談に類することを相談してみました。
私が全く架空の企業を想定し、ありがちな相談内容を入力しました。これは、当初からずっと行っているテストですが、これまでは十分な回答が得られませんでした。しかし、最近のテストでは、3件相談してみましたが、すべて合格点を出せる回答でした。
何より、相談者の方が気を悪くされないように配慮した言葉選びがされており、そんなところでイラっとすることもありません。言いにくいことも、言葉を選びながらも毅然と「戦略を明確にしましょう。」などの指摘をしてくれました。人間以上に思いやりのある配慮ができていました。
◇補助金申請書類作成に関する助言
いくつかの補助金について申請支援を求めてみました。
これはもう、私の申請支援を見てたのか?と思うくらいに私と同じ支援をしていました。ご相談者様にありがちな買いたいものだけ決まっていて、自社の経営戦略が明確でないような形で相談をしてみましたが、初めに経営戦略ありきじゃない補助金申請書は採択されないことをきっちりと説明し、買いたい物との違和感がない戦略案を提示してくれ、検討不足な部分はしっかりと指摘してきて、決めるように求めてきました。
また、公募要領等に補助対象とならない物を買いたいと言ってみたり、何とかならないかと相談を持ちかけてみましたが(実際にありがち)、キッパリと断られました。
さらに「申請書が出来上がたらチェックをしますのでアップロードしてください。」という親切さで、申請の伴走支援ができていました。また、応募の回次によって微妙に規約が違う点にも対応しているようで、「第何回に応募を予定されていますか?」とも聞いてきました。完璧な支援でした。
別の補助金でも、支援内容は満足な物でしたが、「まずは一度打ち合わせをしましょう。ご連絡をください。」という回答があり、笑いました。どこかの補助金申請支援をされている事業者のWEBサイトからそのまま抜き出してきたのでしょう。まあ、ご愛嬌という事で。
いずれにしても、補助金申請支援でももうお金を払ってお願いする必要はありません。
やはりコンサルタントは廃業か?
さあ、いよいよ追い詰められてきました。
補助金申請が良い例で、お客様は、まとまった文章ではなく、思いつくままに自分の思いのたけを伝えるときちんと整理して文書形態に整えてくれるという私が提供価値としてきたお客様の頭の中の整理や申請要件への適合チェックなどもやってくれるので、もう今までの私の支援は不要です。
こんなことまで出来るようになったんですよ。楽しくないですか?いやいや、そんなことを楽しんでいる場合ではありませんが、なぜだか楽しいです。
では、やはりコンサルタントは廃業か?
答えはNOです。
上記の例は、いずれも少し前の私のコンサルティング内容であり、AIに近い将来代替されることは想定内ですので、私自身も変革してきています。コンピュータにできることと人間にしかできないことの役割分担は、コンピュータの登場以来常に議論されてきたテーマで、AIとて同じです。
AIができることはAIに任せて、AIには出来ないことを私がやっていくことになります。しかし、これも技術の進歩とともに“いたちごっこ”であり、今、新しく私の役割となったことも近い将来にはAIに譲ることになると思います。人間がやったことは必ず学習モデルとなり、いつかは学習し尽くされます。逃げ切ろうと思うこと自体が間違いです。
引退するまでAIとは鬼ごっこを続けないといけなさそうです。
長くなったので、近日、また続きを書きます。
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