大学入学共通テスト〈情報Ⅰ〉を解いてみた!
2025年1月19日に行われた大学入試共通テストの情報Ⅰを解いてみました。
「ITコーディネータなんだから当然できるでしょ?」と言われそうなので、SNSでありがちなチャレンジものとしてやってみました。
と言っても面白半分なのはタイトルだけで、今年度初めて大学入試共通テストの科目として登場したので、高校で情報教育とはどの程度なのかを知る機会かなと。私のお客様の会社では、高卒採用をしている会社が何社かあるので、今年高校を卒業してくる子達がどの程度の知識を持って来るのか知っておきたかったというの本音です。共通テストは、就職組には関係ないですが、高校の必修科目なので同じことは学んでいるはずですから参考にはなるはずです。
この科目の導入目的としては、多くの大学で全学部共通の必修単位として数理・データサイエンスを取り入れていることを考えると、数理・データサイエンスを大学で学ぶ準備ができているかどうか?その基礎知識・理解度量るためのものと理解しています。
それだけに、実務レベルには程遠いレベルではないかと予想しているのですが、どうでしょう?予想通りならITスキルスタンダードレベル4、DX標準レベル4の高度スキルを身に着けているとされるITコーディネータとして恥ずかしくない点を取らなければいけません。
しかもですよ、私はそのITコーディネータの育成研修のインストラクターですから、さらに上を行かないと私の研修を受講した方、ITコーディネータ協会、いや全国のITコーディネータの皆様に合わせる顔がありません!
さて、自分自身で目一杯ハードルを上げたところで・・・
ちなみに、私は、情報Ⅰの教科書を見たこともなく、模擬問題とかも解いたこともなく、何の勉強もせず、全くの初見で自分が持っている知識だけでの挑戦です。あとで知ったのですが、初年度なので大学入試センターから予め試作問題が公開されていたようですし、出題方針も公開されていたようです。
唯一知っていたのが大問が4問で、大問1、2が各20点、大問3、4が各30点という配点ということとプログラミングの問題も出題されるということだけです。私自身は、ITコーディネータと言ってもプログラミングの業務経験はなく、40年も前にBasicやCOBOLを学んだ程度の知識しかありません。あとは、30年くらい前に気に入った他社のホームページのソースを見て自社のホームページを作った程度の経験です。当時のHTML言語はBasicと大差なく、全く勉強しなくてもBasicの知識だけでソースコードの解読が可能でした。特定の言語で出題されるとお手上げです。
さあ、言い訳もしたので、60分の試験に挑戦です!問題はネットから入手したPDFで問題文の余白に直接書き込んだり、選択肢に○を付ける形で解答しました。時間は、ストップウォッチで正確に計測しました。
まずは、全体を確認し、大問が4問であることを確認しながら問題の概要を見て、大問1、2を各10分、大問3、4が各20分と時間配分の目安を立てました。そして、大問3がプログラムの問題でしたので手間取ると予想し、1、2、4、3の順で進めることを決めました。
さあ、大問1から始めると・・・デジタルの基礎的な問題。えっ!?こんな程度?と思うくらいに簡単な問題でした。勉強不要です。しかし、文章がまどろっこしくて読解に少々時間を要してしまったかもしれません。大問1が終わった時点で既に18分を使っていました。
これはマズイ!スピードアップしなくては・・・もう、慎重に文章を読んでいる時間はありません。どんどんやっつけていかなくては。ところが、大問2以降は、さらに文章が分かりにくく、さらに参考の図表や選択肢が問題文とは別のページに書かれているため、ページを行ったり来たり、どんどん時間を使わされます。これが紙ならば両方見比べながらできたと思うので、PDFで解いていることで5~10分程度はロスしたと思います。途中で配点が事前知識と違うことも気付きましたが、それ以上気にしている時間がありません。
大問2は論理思考の問題、大問4はデータサイエンスを意識した統計学の問題でした。大問3はプログラムからの出題ですが、プログラミングと言うよりはExcelの関数のような問題でした。数行程度のプログラムのようなものは書かれていましたが、特定の言語ではないように思います。どちらかというとプログラムの概念を示したような関数式が書かれていた感じですが、これで動くかどうかは別(動かないはず)として、プログラムの概念が理解できるかを問う問題でした。最終的に何とか埋め切ったところでタイムアップ。見直す時間はありませんでした。
さて、結果は・・・
これは恥ずかしい点数ですねぇ。日本全国のITコーディネータの皆様に顔向けが出来ません。大問2以降時間に追われて細かいミスを連発してしまいました。自己採点してみると、自分でもどんな根拠でその選択肢を選んだのかわからないくらいの解答が数問あり、狼狽ぶりが顕著でした。最低でも90点は取らなきゃいけないし、取れる問題でした。
自己採点しながら、間違えた問題はもう一度問題を見てみましたが、ほとんどすぐに解る程のイージーなミスを連発していました。
全体を通しては、問題は簡単でした。数Ⅰよりはるかに簡単なレベルだと思います。恐らく全受験者の得点の中央値は70点台(/100点)じゃないでしょういか?そして、中央値にギュッと詰まった感じであまり差が付きにくい問題だったのではないかと予想します。
プログラムや統計学では勉強していないと正解できない問題が2~3問ありましたが、それ以外の問題は理系文系に関係なく、情報と言うよりは数Ⅰくらい履修していればその知識で答えられる問題がほとんどでした。
むしろ、読解力と言うか一度でしっかり理解し切る文章理解力の方が必要なスキルだったと思います。では、これは資格試験でも同じですね。ゆっくり考えることなく短時間で正解にたどり着けることで理解しているかどうかを量っている感じです。
受験生にとっては、特に受験勉強が必要な科目ではなく、むしろ普段の授業でその都度きっちり理解していれば対策は不要なのではと思いました。(個人の主観です。)
教える先生にとっては、プログラミングは教科書(学習指導要領)通りでできると思いますが、数里・統計学の方が大変かもしれませんね。どちらも慣れれば難しくないのですが、共に独特な概念があり、一般人は日常生活であまり使わないものでもあるので違和感がありますよね。とは言え、データサイエンスとは切っても切れないことなので、ど真ん中の最重要分野なので慣れるしかないですよね。
最後に、変な問題が多かったですね。
前提条件がおかしいというか現実的ではない問題が結構ありました。試験問題としてはこれでもよいのかもしれませんが、現実的には「こんなことしないよ」とか「こんな考察要らんだろっ?」って思って、そこに気を取られてしまいました。試験問題は試験問題として、現実的には・・・というのは考えないようにしないといけないですね。
最後に恥ずかしい自己採点表を掲載しておきます。
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