(富山県)コロナ第2波の備えを

 東京や大阪で再び新型コロナウイルスの感染が拡大してきました。もう少し休ませてくれるのかと思いましたが、第2波襲来宣言も時間の問題となりました。次の投稿は、「コロナに克つぞ!2020.6」の総まとめの記事を準備していたのですが、悠長なことを言っている場合ではなくなりました。急遽変更です。

 東京を中心とした感染拡大兆候には、国と都はお互いに責任の擦り付け合いをしていますが、双方の立場を考えれば「そんなもんでしょう。」と冷ややかに見ておりますが、我々にとってもけして対岸の火事ではありません。富山県人お得意の「富山は大丈夫やちゃ」は通用しないでしょう。実際に、他県では、東京から来た人や東京への出張帰りの方が感染者として見つかり、地方で感染を拡げています。

 また、『THE☆JINRO』という舞台を介して、出演者、スタッフ、観客までクラスターができています。私も芸能・イベントの世界の出身ですので、ずっとイベント開催ができず耐えてきた業界の苦しみはよく理解できますし、入場制限が緩和された今でも収益を上げる興業ができないのに、これでまた遠のくかと思うと胸が痛いです。徐々に再開されれば文字通り命がけで駆け付けるのがファンと言われる人達の心理です。ファンの怖いもの知らずさは、そうでない人達の想像をはるかに超えるレベルです。業界のことを考えると入場制限の全面解除を願いますが、社会全体の安全を考えると、やはりリスクが高すぎます。それは、テーマパークもしかりです。若い人たちやファンたちは危険を顧みずイベントやテーマパークに行くので、親でもそれは止められません。彼らがウイルスを持ち帰る可能性はゼロではありません。さらには、Go Toキャンペーンで更に人が動くと、もはや感染経路を追うなど無理な話です。

また緊急事態宣言下のように自分の隣にウイルスがいると思って意思決定をしなくてはなりませんね。


 さて、経営者目線で今すべきことは何でしょう?もちろん、私は感染学専門家ではありませんので、経営リスクという意味でのリスク対策を考えてみたいと思います。

1.まずは、従業員のみなさんへの移動と従業員同士の会食自粛要請でしょうか。心苦しい要請ですが、お願いした方がよいでしょう。特に、イベント、興行、テーマパークへは行かないように、そして、従業員同士で会食しないようにお願いしたいところですね。ボーナス支給後で、気持ちがそこに向かっている時だけに、しっかりと釘を刺しておきたいところです。

 そして、前回と違うのは、政府は「コロナは全滅しないので感染拡大を防ぎつつも社会経済活動を再開させていかなければならない。」という姿勢を取っていることです。言い換えれば、多少の犠牲(感染)者がでることは仕方がないという意味ですよね?多少がどの程度を思い浮かべているかですが、我々が思っているよりずっと多い人数を想定しているように聞こえます。私には「市中感染やむなし」と聞こえます。政府が「市中感染やむなし」と考えているのであれば、遅かれ早かれ、自社内にも感染者が出ると、そこまで想定しておいた方がよいのではないでしょうか?

2.次に、BCP対策ですね。部署ごとに、感染者が出た場合にどのようなフォロー体制とるのか?を策定しておきたいですね。従業員同士の会食自粛をお願いするのは、このためです。一挙に4人感染して出勤できない状態では、フォローも何も事業継続できないですからね。それでも同じ部署で感染が出た場合を想定して、外注する同業他社まで考えておいた方がよいでしょう。

3.続いて対策することは、代わりが利かないのは、誰のどの業務か?を洗い出すことでしょうか。小規模企業では、どこの会社でも代わりの利かない業務があると思います。それをどうするのか?大至急マニュアルを作ってもらうのか?アウトソーシング可能なのか?など検討して対策しないと、たった一人の感染で事業継続できなくなりますね。それは、社長の仕事にも言えることです。短くて14日間、長ければ1ヵ月以上も業務に関われなくなるのですから、致命傷にならないように対策しないといけないですね。

4.その上で、事業継続できるとして、どのような事業を行うか?ですね。通常通りの業務があればよいですが、お客様の状況により、そうはいかないかもしれません。その場合、どう切り替えるかを想定しておいた方がいいですね。自社の強みをもう一度見直して、どんな業務なら代替えが利くのか考えておくのもよいでしょう。第1波の時、プラスチック加工業ならばアクリルボード仕切板とか、縫製業ならマスク製造とかに切り替えたように。ただ、飲食業では、店内飲食からテイクアウト/デリバリーにという単純なものでは、もはや難しいですね。どの業種でも今度は同業者が追随してきますから、競争は厳しくなります。そんな中、追随する側に回らないように、一手先に手を打ちたいです。

 具体的には、1社1社状況が違うため、たとえ同業者と言えども同じ策ではいけません。自社の状況と資源(ヒト・モノ・カネ・情報)等に合わせて考える必要があります。ここは私の力の見せどころであり、今すぐご相談にただければ、先手を打つアイディアがお出しできるかと思います。

 みなさまも、いろいろな成功事例を集めておられると思います。みなさまは、すぐに自社で使える成功事例をお探しですが、なかなかうまくいきませんよね?私は、仕事柄みなさまより多くの成功事例を目にし、また、深いところまで情報が手に入りやすい環境にありますが、そのまますぐに使える成功事例というのは少ないと思っています。簡単に真似できるならそんな事例は公開してくれませんよね?公開されるというとことは「真似できるものならやってみろ!」的な秘密があるからです。


 私は、成功事例に接する時、まず企業をマトリクスに分類します。横軸は、都会か田舎か企業立地の軸、縦軸は企業規模の軸です。こうして、4つのセグメントに分類して、それから、その成功事例の具体的内容を見ていきます。

 例えば、私も大好きなテレビ番組で紹介される事例は、『ガイアの夜明け』では圧倒的に右半分の企業が多く、『カンブリア宮殿』は上半分が多いです。『がっちりマンデー』は前記の2番組に比べると幅広いですが、それでもやはり上半分が多いですね。ようするに、企業規模か立地条件のどちらかが自社とは違うので、すぐに導入できないわけです。小規模企業ではどうか?田舎ではどうか?と一度考え直してみないと使えないことが多いです。ちなみに、小規模企業でも大企業モデルに分類することもありますし、田舎の企業でも都会モデルに分類することもあります。単純に規模や立地で振り分けるわけではなく、業態によって振り分けます。


 若干話が横道にそれましたが、『コロナ・サバイバル』の今をどう生き残るか?それを今すぐ考えて、やれることからすぐに始めないと富山県内に感染が拡がってきてからでは遅いですよと伝えたいのです。一刻も早く手を打ちましょう!

GF経営研究所

主に富山県内で活動する中小企業専門の経営とITのコンサルティング事務所です。

0コメント

  • 1000 / 1000